デザインの未来ちゃん

デザイン周辺のあれこれ、雑記帳。

プレゼン勝ちの方程式ってあるのか。

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プレゼンについて思ったこと。

 

3年前の投稿のリライトです。

代理店経由やクライアント直などでプレゼンに参加してほしいと
声をかけられることがたまにある。
大手代理店や印刷会社、プロダクションに混じって個人で参加したり。
数合わせのためのプレの時やいろんな状況で呼ばれるが、
勝ち残るのはプレゼンの内容だけではなく、
政治的なこともあったりするので、むづかしいことだ。
プレゼンで落ちた理由もいまひとつ不明なままで終わることが多いので
できるなら参加したくない。

今回は、10年にわたる知人からのお誘いだったので参加することにした。

内容は、ある学校のメインパンフを、
グループ全体の総合パンフとしてつくりかえたいという内容だった。
おおまかな台割やどんなメッセージを伝えたいかまで
かなり細かく指定されていた。

彼に相談にのっていただき、この学校の創設の頃の話や、
いま、どんな問題をかかえているのか、
これからどんな学校にしていこうとしているのか。
そんな話を電話でたびたびしながら、
他の学校とはなにがちがうのかを探っていった。

そこで用意したのは、B4のペラが5枚。

1/そもそも、パンフレット(一般的)の役割ってなんでしょう。
2/この学校のパンフレットに必要なものってなんでしょう。
3/ここで、ようやく表紙とキャッチコピー。
4/代表的な中ページ3見開きのデザインとコピーを紹介。
5/パンフレットはメッセージを伝える1部でしかありません。


こんな内容で、全ページデザインはつくらなかった。
いちばん時間をかけたのは、2の部分。

3社プレで、3番手。
待ち時間が1時間もあったので、軽い体操をしたり、深呼吸したり、
じぶんをおちつかせるのに時間を使っていた。

他がどんなプレゼンをしたか知らないまま、
10人ほどの先生を前にプレゼン開始。

 

アートディレクターって仕事をご存知ですか。

そこから話しはじめた。
デザインして、きれいにまとめるだけの人ではないことを理解していただき、
1〜5について、15分ほど話をさせていただいた。
プレに通るかどうかは別にして、みなさんの反応は上々だった。
よくうちのことを考えてくれました、という声もいただきました。

それでもプレゼンに勝つ自信があったわけではなく、
数日後、お電話で「佐藤さんにお願いすることに決まりました」
と連絡いただいたときは、やっぱりうれしかった。

あとからうかがうと、他の2社は、
台割も忠実に、全ページデザインして提案したらしい。
見せていただいたが、出来は悪くない。
しかし、そこには、デザイン以外の新しい提案はなにもなかったそうです。
ぼくを選んでくださったのは、
学校のことを掘り下げて、次、どうすればいいかという提案があったからだそうです。
だとすれば、そこに、時間をかけたのは間違いじゃなかった。

いつもこういうプレが通る訳ではないが、
ひさしぶりに心地いい気分だった。