デザインの未来ちゃん

デザイン周辺のあれこれ、雑記帳。

デザインのレッスン-1「渋拓(シブタク)」

日本デザイナー学院で9年間、
グラフィックデザインアートディレクションの授業を重ねてきました。
デザインに直結する課題もあれば、
これ「いったい何の授業?」っていうのもあります。

忘れないうちに書き留めておこうと思います。
見も知らぬ誰かの役に立ってくれたらうれしい。

そして、実践してもらえたらもっとうれしい。

 

今回のテーマは「渋拓(シブタク)」

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デザインのレッスン「渋拓(シブタク)」学生配布用資料




意味がわからない?

でも、魚拓なら知ってるよね。

釣り人が、釣った魚を記録するために、半紙に墨で写しとるあれ。

渋谷の街を、魚拓みたいに、紙に写し取っちゃおうという課題です。

 


【材料】A3のコピー用紙/画版/黒のパステ

 

さ、渋谷の街に出よう。

足元や壁を注意深く見ていると、見えてくるものがあるはず。

 

  • マンホールの幾何模様
  • 壁の凹凸
  • 金網の編んだ形
  • 樹木の模様

 

面白いデザインがたくさんそこここに見えてきます。

渋拓100枚目指そう。

たくさん集まったら、渋拓を素材に商品化、ブランド化を考えてみよう。

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彼女は、マンホール模様に注目して集めました

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マンホールを教室の床に並べてみると面白い世界が広がります

 

 

その後、彼女はマンホール模様を
Tシャツやトートバッグ、壁紙などに展開しました。

写真はないけど、なかなかよかったよ。




アートの世界では、フロッタージュ(擦りだし)と言って、画家マックス・エルンストがはじめた技法と言われています。エルンスト/フロッタージュ/博物誌で検索してみるといい。新しい発見があるよ。

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例えば、こんなフロッタージュ技法のマックス・エルンスト作品。



【デザインメモ】街にデザインのヒントが落ちている。ほら、足元に。