クリエーターのポートフォリオ制作、12のアドバイス
毎日暑いですね。
僕は、デザイン専門学校の企画デザイン科でアートディレクションをベースにデザインを教えています。一昨日が、夏休み前最後の授業でした。テーマは、ポートフォリオ。その制作のポイントを授業で話したので、まとめておきます。学生だけでなく、誰かのお役に立てればうれしいです。
ポートフォリオは、じぶんの分身です
グラフィックデザイナーだけでなく、ものづくりや企画に携わる人にとって
ポートフォリオは「じぶんの分身」です。希望する会社の選考が、まずポートフォリオでふるいにかけられるなら、最高のものに仕上げないといけません。
ポートフォリオ制作は、何から始めればいいのか
先日、フリーランスのグラフィックデザイナーになった卒業生にゲストに来てもらいました。成長した先輩の姿を見て欲しかった。卒業してたった5年で、こんな素晴らしい仕事してるよ。
ポートフォリオ制作についても、学生のためになるアドバイスをたくさんもらいました。とても役に立つので、僕のアドバイスも追加して12個にまとめてみました。
1/リストアップ10以上20未満
1/リストアップ10以上20未満
最初に、学校の課題や個人的に作った作品を紙に書き出してください。意外と20くらいすぐ書き出せるはずです。10以上というのは、10以下では作品が少なすぎるから。20未満というのは、多すぎると見る側が疲れるし飽きてしまうから。
2/写真が第一印象を決める
やはり、見た目がいちばんです。ライティング、アングル、ロケーション、知恵を絞って撮る。可能なら一眼レフを使って撮影。そこそこの作品も数倍よく見えます。
3/アイデアスケッチをたくさん見せる
一つの課題からどれだけアイデアを出せるか。アイデアを一つだけ出して決定する仕事なんてありません。採用する側も、あなたがどれだけアイデアの引き出しを持っているか知りたいんです。スケッチブックを引っ張り出して、アイデアスケッチをたくさん見せましょう。アイデアは新しいものを生み出す力です。
4/制作過程をわかりやすく
作品ができるまでのプロセス。いわば、メイキング。映画でもなんでもメイキングって面白いじゃないですか。実は、ここ、こんなふうに撮影してるんですとか、そういう見えないところに人は興味を持つものです。
5/自信作を載せる
この作品は自信あるから絶対見せたい!そういうものを厳選しましょう。中途半端な作品を見せられるのはとても辛い。自信がなかった作品も、手を加えて自信作にしてみよう。
6/編集が大事
例えば、雑誌であなたの特集が組まれたとします。巻頭の特集は、何?タイトルは?どうやって作品を紹介する?その順番は?写真はどんなふうに撮る?作者の紹介はどんな感じにする?編集長件アートディレクターになったつもりで考えてみる。
7/学校の課題以外も載せる
同じ学校で学んでいると、当然、課題がかぶります。卒業していった先輩たちともかぶります。「あれ、この課題見たことあるな」というシチュエーションも考えられます。頼まれてもいないのに作った、大好きな作品を載せましょう。きっと、それが、じぶんの得意技。
8/じぶんの強みをアピールする
小説書いてます。YouTubeに作った動画投稿してます。アニメ作ってます。ハーモニカ吹いてます。雑貨作ってます。面白いBLOGやってます。それもアピールしましょう。それが、実際「へー」ってなるし、オモシロイ!
9/言葉の力を借りる
課題のタイトル一つでも言葉の力を借りると全然違うものになります。
例えば、浅草で一眼レフを使った写真撮影の授業があったとします。
「浅草 写真撮影のレッスン」じゃ、ふつう。
「外国人観光客のための、浅草を100倍楽しめる写真」
ちょっと、どんな写真か見たくなりませんか?読む側の立場で言葉を選ぶことを意識する。それだけで、ポートフォリオのランクが上がります。
10/A4のクリアファイルでとりあえず作ってみる
デザイン学生にありがちなのが、すごいものを作ろうと意気込んでしまって
逆に何にもできない状況になってしまうことです。
A4のクリアファイルを用意して、作品とデザインしたページをどんどん入れてみましょう。とりあえず、1度、完成させる。
11/何度でも編集(入れ替え)
クリアファイルにしたのはわけがあります。何度でも入れ替えが効くことです。ページ順を変えたり、頭から何度も見直したり。それが編集作業です。
12/サプライズを作る
選考担当の方は、たくさんのポートフォリオを見ます。たいへんな労力です。見てくださった方に感謝を込めてプレゼントのつもりで、サプライズを作ってください。やり方は、人それぞれ考えてみましょう。
いかがでしたか。
ひとつでも役に立ちそうなアドバイスがあったでしょうか。
学生には、夏休み明け、ポートフォリオ提出を宿題にしました。はやく出来上がれば、就職の好機を逃すこともありません。
読んでくださったクリエーターの方も、最高のポートフォリオを作って、最高の結果を手にしてください。